喉仏(のどぼとけ)は故人のご遺骨の中でも特に大切にされる部分です。
実際に仏様と人間を繋ぐ重要な役割を担い、古くから敬われてきました。
お骨上げの際にも、喉仏は最後に骨壺に納められることが多いですが、多くの人がお骨上げで重要視されている喉仏やお骨上げの基本的な流れ、マナーについて知りません。
そこで、ここではお骨上げで大切にされている喉仏の実態や喉仏が古くから大切にされてきた理由、お骨上げの基本的な知識について解説していきます。
適切な知識と理解を持って、故人に対しての尊敬や愛情を表しましょう。
Contents
お骨上げとは
お骨上げとは、火葬後にご遺族や親族が行う故人のご遺骨を骨壺の中に入れる儀式のことです。
お骨上げ以外にもいくつかの呼び方が存在します。
- 収骨(しゅうこつ)
- 拾骨(しゅうこつ)
- お骨拾い(おほねひろい)
- 骨上げ(こつあげ)
この儀式において「喉仏」は大切に扱われており、最後に骨壺に納めます。
お骨上げで大切に扱われる「喉仏」とは?
お骨上げで大切に扱われる喉仏は「軸椎(じくつい)」という首の骨のことで、男女共に存在します。
一般的に喉仏と呼ばれている男性の首にある膨らんだ部分は、お骨上げで重要視されている喉仏とは異なるので注意しましょう。
男性の首にある膨らんだ部分は軟骨部分のため、基本的に火葬後に残ることはありません。
お骨上げで喉仏がなぜ大切にされるのか
お骨上げで喉仏が特に大切に扱われるのは一体なぜなのでしょうか。
形が仏様に似ているから
骨上げで喉仏が大切にされる最も大きな理由はその形です。
軸椎の形が座禅を組んでいる仏様の姿と似ているということから、人間と仏様のつながりを象徴するとして、特に尊重されてきました。
また、この部分は声を発するための重要な器官であり、人としての精神性や言葉に敬意を表すという意味も含まれています。
喉仏には言い伝えがある
火葬後に喉仏がきれいな状態で残っていれば極楽浄土に行ける・きれいな状態で残っているのは生前の行いが良い証拠という言い伝えがあります。
このような言い伝えがあるため、古くから大切に扱われてきました。
お骨上げはどんな流れで行うの?
お骨上げの方法は地域によって異なりますが、基本的な流れは存在します。
ここでは、一般的な流れを簡単に紹介していきます。
- 収骨室へ移動する
- 参列者が故人の周囲を囲う
- 職員がご遺骨を骨上げ台に置く
- 骨壺にご遺骨を納める
- 骨壺にふたをする
1.収骨室へ移動する
火葬をしている間は待合い場所で待っていますが、火葬が終わりお骨上げの準備ができたら収骨室*へ向かいます。
このタイミングは職員の方が指示してくれるので、その指示を待ちましょう。
*収骨室…お骨上げをするための部屋
2.参列者が故人の周囲を囲う
収骨室に着いたら故人の周囲を参列者が囲います。
3.職員がご遺骨を骨上げ台に置く
故人のご遺骨を職員が収骨室へ運び、お骨上げの準備を行います。
4.骨壺にご遺骨を納める
骨壺に故人のご遺骨を納めていきます。
この際、血縁関係が深い順番に行うことが多いですが、細かなルールはないのでご遺族間で決められることも多いです。
5.骨壺にふたをする
ご遺骨を骨壺に納めたら骨壺にふたをしてお骨上げが終了します。
お骨上げのマナー
お骨上げの方法やマナーについてはその場で職員の方から指示を受けますが、基本的なことを知っておくと安心です。
ここではマナーについて学びましょう。
お骨上げは火葬後に行う
お骨上げは火葬が終わってから収骨室という部屋で行います。
このタイミングは職員の方からの指示があるので、待合場所で待ちましょう。
二人一組で行うのが一般的
お骨上げは基本的に二人一組で行います。
このように二人で行うのは、ご遺骨を丁寧に扱って偲ぶためです。
一人が専用の箸を使ってご遺骨をつまみ、もう一人が骨壺に移すという流れで行います。
故人との縁が深い順で行う
お骨上げは故人との縁が深い順に行うため、基本的には血縁が濃い順で行われます。
具体的には、「喪主→遺族→親族」の順で行うのが一般的です。
ただし、この順番については地域やご遺族の考え方によって異なります。
お骨上げの順番が決まっている
基本的に骨壺にご遺骨を入れる際の順番が決まっています。
「足→腹→胸→頭→喉仏」の順番で行いますが、この順番は生きている時の姿と同じようになるように決められたようです。
ただし、この順番もご遺骨の状態や地域によって異なるので、職員の指示に従って行いましょう。
喪主が喉仏を拾う
上記でも紹介しましたが、喉仏は最後に骨壺に納めます。
喉仏はご遺骨の中でも最も大切だと考えられている部分なので、最後に喪主とそのパートナーが行います。
ただし、ご遺骨の状態や地域、ご遺族の考え方によって異なるため、職員と相談しながら行いましょう。
お骨上げ専用の箸を使う
お骨上げの際には骨上げ箸と呼ばれる専用の箸を使用します。
この箸は一般的に火葬場で準備されているため、ご遺族が準備する必要はありません。
骨上げ箸は普段私たちが食事で使う箸とは違う特徴があります。
<骨上げ箸の特徴>
- 左右の長さ・材質が違う
- 一般的な箸より長い
このような特徴があるのは、あえて日常の逆を行うことで不幸が連続するのを防ぐという考えがあるからだと言われています。
地域によってやり方が異なる
お骨上げの方法は地域によって異なります。
一般的に東日本では全収骨(全てのご遺骨を骨壺に納める)、西日本では部分収骨(ご遺骨の一部を骨壺に納める)を行います。
収骨の順番や骨壺のサイズなども異なるため、事前に確認しておくと安心です。
宗派によっては喉仏を分骨する
日本で信仰されていることが多い浄土真宗では、喉仏とそれ以外のご遺骨を分骨(ご遺骨を分けて供養する)するのが一般的です。
喉仏を納めた骨壺を浄土真宗の本山に納め、喉仏以外のご遺骨を家族の墓に納めるという習慣があります。
<浄土真宗の本山>
本願寺派 | 西本願寺 |
---|---|
大谷派 | 東本願寺 |
基本的には本山に喉仏を納めますが、本山から遠い場所に住んでいる方は家の近くにある浄土真宗のお寺に納めることもできます。
分骨をするなら事前に火葬場に伝えておこう
お骨上げの際に分骨を希望する場合は、事前に火葬場に分骨したいということを伝えておきましょう。
地域によっては分骨をするために分骨証明書という書類が必要なこともあるので、火葬を行う前に伝えておくことが大切です。
ちなみに、分骨証明書ができるまでに数日かかることもあるので、火葬時に間に合わせたい場合は、お亡くなりになられたらすぐに火葬場に連絡するようにしましょう。
喉仏が残っていない場合もある?
火葬後に喉仏が残っていないのでは?と心配されることもありますが、お骨上げの際に喉仏が全く残っていないということはほぼありません。
しかし、喉仏の状態が良くない(割れている・ボロボロになっている・ひびが入っている)という場合はあります。
喉仏の状態が故人によって異なる主な理由は骨密度がそれぞれ違うからだと考えられています
粉骨の際に喉仏を残せる?
粉骨とは、ご遺骨を粉状に砕くことを言います。
散骨や手元供養などを行うために粉骨をすることが多いです。
しかし、大切な喉仏だけは粉骨せずにいたいという方も多くおられます。
そのような場合は、粉骨時に喉仏を残すことができる業者を選ぶことが大切です。
粉骨時に喉仏を残したいならすずなりがおすすめ
粉骨時に喉仏を残したいという方におすすめなのがご遺骨の専門家であるすずなりです。
すずなりでは粉骨だけでなく墓じまい・改葬・海洋散骨・手元供養に関するサービスも行っています。
粉骨サービスでは、大切な故人を丁寧に粉骨する手作業プランがあり、しかも粉骨に立ち会うことも可能です。
喉仏だけを残すというお客様の願いも叶います。
忙しい方は郵送で粉骨を受け付けるサービスもあります。
信頼できる業者選びのポイント
粉骨や手元供養など供養に関係する業者を選ぶ際には信頼できる業者を選ぶことが大切です。
故人を大切に扱ってくれる優良な業者を選ぶようにしましょう。
ここでは、信頼できる業者を見極めるためのポイントを紹介します。
粉骨では立ち合い可能か
粉骨の際に立ち合い可能かどうかを確認することが大切です。
立ち合い可能な業者の場合、大切な時間を共有し、粉骨の過程を見守ることができます。
実際に立ち会わなかったとしても立ち合い可能な業者は粉骨の過程に自信を持っている透明性の高い業者である可能性が高いので安心できます。
粉骨時の立会いが可能かどうかについては事前に確認しておきましょう。
料金が分かりやすいか
業者を選ぶ際には料金体系が明確で、追加料金が発生しないかどうかを確認しておくことが大切です。
見積もりと請求額が一致しているかどうかも確認しておきましょう。
信頼できる業者は料金体系が分かりやすく、追加料金が発生しない場合が多いです。
会社の情報を後悔しているか
会社情報を公開しているかどうかも信頼できるかを見極めるポイントです。
具体的には過去の実績、設立年数、顧客の評判、プラン内容、料金設定などが公開されているかを確認しましょう。
また、所属している団体や協会をチェックしておくのもおすすめです。
まとめ
お骨上げとは故人のご遺骨を骨壺に納めるという大切な儀式です。
中でも喉仏は故人にとって最も大切な部分として扱われ、骨壺の一番上に納めます。
お骨上げの流れやマナーについては当日に職員の方が指示してくれることが多いので、あまり構える必要はありませんが、基本的な流れを知っておくと安心です。
お骨上げは故人への生前の感謝や尊敬を表す貴重な儀式でもあります。
故人を偲びながら大切な時間を過ごしましょう。