樹木葬とは樹木の下に納骨する新しい供養方法の一つで、近年人気が高まっています。
東京都に位置する都立小平霊園は公営霊園でありながら樹木葬ができるとあって、毎回抽選が行われるほどの人気です。
そこで、ここでは小平霊園で樹木葬を行うための方法や費用、さらには抽選倍率などを詳しく解説します。
都内で樹木葬を考えている方、樹木葬について興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
小平霊園の樹木葬とは
小平霊園とは東京都が運営している公営霊園の一つです。
小平霊園には一般的な墓地だけでなく樹木葬や芝生葬などができるスペースが設けられています。
応募がある年は毎回抽選になるほど人気の高い施設ですが、どのような特徴があるのでしょうか。
2種類の樹木葬がある
樹木葬とは、ご遺骨を樹木の周囲や根元に埋めたり、墓標として樹木を植えたりする供養方法です。
小平霊園でできる樹木葬には大きく分けると2つの方法があります。
以下が小平霊園で可能な樹木葬の方法です。
- 樹林型合葬埋蔵施設
- 樹木型合葬埋蔵施設
樹林型合葬埋蔵施設(じゅりんがたがっそうまいぞうしせつ)
概要 | 林の下に全部で27カ所ある共同埋葬施設のうちのどこかに埋葬する供養方法 ※27カ所ある共同埋葬施設のどこに埋葬するかは選べない |
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埋葬方法 | 骨壺からご遺骨を取り出し、一体用の骨袋に入れ替えて土の中に直接埋葬する |
ご遺骨の形状 | そのままorパウダー状(どちらでも可能) ※ご遺骨の形状によって費用が異なる |
生前申し込み | できる場合がある |
樹林の下に全部で27カ所ある共同埋葬施設のうちのどこかに埋葬する供養方法です。
埋葬する際は骨壺からご遺骨を取り出し、一体用の骨袋に入れ替えて土の中に直接埋葬します。
ご遺骨の形状はそのままでも粉骨したパウダー状でもどちらも可能ですが、ご遺骨の形状によって費用が異なります。
ちなみに、27カ所ある共同埋葬施設のどこに埋葬するかは選ぶことはできません。
樹木型合葬埋蔵施設(じゅもくがたがっそうまいそうしせつ)
概要 | 樹木の周辺に設置された個別埋葬施設に1体ずつ埋葬する供養方法 ※樹木型合葬埋葬施設もどこに埋葬するかは選べない |
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埋葬方法 | 骨壺からご遺骨を取り出し、一体用の骨袋に入れ替えて土の中に直接埋葬する |
ご遺骨の形状 | そのままorパウダー状(どちらでも可能) ※どちらの形状でも費用は同じ |
生前申し込み | できない |
樹木の周辺に設置された個別埋葬施設に1体ずつ埋葬する供養方法です。
埋葬する際は骨壺からご遺骨を取り出し、一体用の骨袋に入れ替えて土の中に直接埋葬します。
ご遺骨の形状はそのままでも粉骨したパウダー状でもどちらも可能で、どちらの形状でも費用は同じです。
ちなみに、樹木型合葬埋葬施設もどこに埋葬するかは選ぶことはできません。
抽選への応募が必要
小平霊園の樹木葬への申し込みができるのは年に1回(6月~7月頃)で「東京都立霊園使用者の募集」に応募しなければなりません。
また、この募集は毎年行われるわけではなく、募集が行われない年もあります。
さらに、応募が行われたとしても毎回募集数を上回る応募数があるため、抽選で選ばれることになります。
申し込み資格がある
小平霊園の樹木葬は誰でも応募できるというわけではなく、応募するためにはいくつかの申し込み資格が必要です。
まずは応募する前に申し込み資格があるかどうかを確認しましょう。
※申し込み資格については下の「【2024年度(令和6年度)】小平霊園で樹木葬するための方法」の「申し込み資格」の欄で詳しく説明します。
永代供養ではない
小平霊園の樹木葬は永代供養ではなく永代管理を行ってくれます。
永代供養と永代管理の違いは、寺が供養を行うかどうかという点です。
つまり、小平霊園ではご遺骨を東京都が管理してくれますが、特定の寺などによる供養がされないということです。
お参り方法について
小平霊園の樹木葬には合同献花台と香炉が設けられています。
お供えできるのはお花、お線香などで、飲食物・タバコなどのお供えはできません。
また、毎年5月4日みどりの日には献花式を行っています。
生前申し込みはできる?
樹林型合葬埋葬施設の場合は生前申し込みができる場合がありますが、樹木型合葬埋葬施設の場合は生前申し込みができません。
小平霊園の基本情報
小平霊園は1948年に開園した自然豊かな土地にある公営霊園です。
歴史的に有名な政治家・実業家など多くの人々が眠っています。
小平駅から徒歩6分のところに位置している緑の芝や樹木に囲まれた明るい雰囲気が魅力の霊園です。
アクセス
所在地 | 東京都東村山市萩山町1-16-1 |
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交通 | <バス・電車> 西武新宿線「小平駅」徒歩6分 西武拝島線「小平駅」徒歩6分 |
休園日 | 12月29日~1月3日 |
開所時間 | <管理事務所> 8時30分~17時15分 <正門駐車場> (4/1~9/30) 7時30分~18時30分 ※最終入場は18時まで (10/1~3/31) 7時30分~17時 ※最終入場は16時30分まで <樹林・樹木墓地> (4/1~9/30) 7時30分~18時 (10/1~3/31) 7時30分~16時30分 |
園内マップ
お問合せ先
お問合せ電話番号 | 0570-783-802 |
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受付時間 | 9時~17時(6月1日・2日・8日・9日以外は土日も可能) |
小平霊園に眠っている有名人は?
- 山本 七平:評論家
- 青田 愛子:声楽家
- 宮本 百合子:作家
- 野口 雨情:作詞家
- 小川 未明:作家
- 宮本 顕治:国会議員 など
この他にもあらゆる分野の有名人が眠っています。
【2024年度(令和6年度)】小平霊園で樹木葬するための方法
ここでは、小平霊園で樹木葬を行うための具体的な方法を紹介していきます。
まずは、申し込みの流れを確認しましょう。
申し込みの流れ【2024年度(令和6年度)】
小平霊園で樹木葬を行うためには、まず申し込みをする必要があります。
申し込みの時期は毎年1度決まった時期のみなので注意しましょう。
ここでは、申し込みから契約までの流れを紹介していきます。
- 情報収集する
- 申込書を提出する【6月14日(金)~7月5日(金)】
- 抽選が行われる【8月16日(金)】
- 抽選結果が通知される【9月2日(月)~】
- 書類審査が行われる【9月頃】
- 管理料・使用料を支払う【11月頃】
- 使用許可証が交付される【12月頃】
では、詳しく解説していきます。
1.情報収集する
小平霊園についてパンフレットや公式ウェブサイトなどで調べてみましょう。
2.申込書を提出する【6月14日(金)~7月5日(金)】
郵送orインターネットで申込書を提出します。
3.抽選が行われる【8月16日(金)】
都庁にて抽選が行われます。
抽選結果については、抽選の翌日に都立霊園ホームページにて発表されます。
4.抽選結果が通知される【9月2日(月)~】
メールもしくははがきで抽選結果が通知されます。
5.書類審査が行われる【9月頃】
申し込み資格を満たしているかどうかの審査が行われます。
6.管理料・使用料を支払う【11月頃】
書類審査に通ったら管理料や使用量を支払うための納付書が送付されるので、期限までに支払いを行いましょう。
7.使用許可証が交付される【12月頃】
納付料の支払いが確認できたら使用許可証が交付されます。
申し込み方法
小平霊園の申し込み方法はインターネット・郵送の2つがあります。
どちらかを選んで期日(2024年6月14日~7月5日)までに申し込みましょう。
では、申し込み方法を紹介します。
インターネット
TOKYO霊園さんぽから申し込みを行います。
※6月14日から登録可能です。
郵送
2024年6月14日~7月5日までに下記の場所で配布される専用の申込書を記入してから下記の住所に郵送します。
<住所>
公益財団法人東京都公園協会 霊園課
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町 2-44-1 東京都健康プラザハイジア9階
<申込書配布場所>
- 都立霊園、都立葬儀書の窓口
- 都立第一・第二庁舎1階2階案内場所
- 都内各市町村、千葉県松戸市役所の窓口
※お近くの配布場所が分からない場合はお住いの市役所で確認しましょう。
申込み資格
小平霊園樹木葬の申し込み資格はご遺骨がある場合とご遺骨がない場合(生前申し込み)によって異なります。
ここでは、それぞれの申し込み資格について紹介していきます。
ご遺骨がある場合
- 申込者が令和6年7月5日までに、都内に継続して3年以上住んでいる
- ご遺骨の祭祀の主催者(申し込んでいる遺骨の葬儀の喪主、法事の施主、死亡届の届出人、遺骨を今後守っていく)
- 2体用の場合は、申し込んでいるご遺骨の関係が夫婦(事実婚含む)、パートナー、親子、兄弟姉妹)である
ご遺骨がない場合(生前申し込み)
- 埋葬予定の方、申込者が令和6年7月5日までに、都内に継続して3年以上住んでいる
- 2体用・3体用の場合は、申し込んでいるご遺骨の関係が夫婦(事実婚含む)、パートナー、親子、兄弟姉妹)である
※申し込み資格については毎年変わる可能性があるので、申し込みのしおりを確認しましょう。
抽選倍率
小平霊園の樹木葬は人気が高いため、毎回抽選が行われます。
ここでは、その抽選倍率を2019年~2023年の5年分紹介していきます。
樹林型合葬埋蔵施設
年度 | 倍率 |
---|---|
2023年度 | 募集なし |
2022年度 | 募集なし |
2021年度 | 募集なし |
2020年度 | 14.4 |
2019年度 | 募集なし |
樹木型合葬埋蔵施設
年度 | 倍率 |
---|---|
2023年度 | 募集なし |
2022年度 | 1.7 |
2021年度 | 1.5 |
2020年度 | 1.1 |
2019年度 | 1.7 |
このように小平霊園の樹木葬はそもそも募集されないことも多く、募集があったとしても抽選倍率が非常に高いことが分かります。
できるだけ早く納骨をしたい、という方は他の霊園についても調べてみましょう。
小平霊園で樹木葬をするために必要な費用
ここでは、小平霊園で樹木葬をするために必要な費用について紹介していきます。
施設名 | 申し込み体数 | 費用 |
---|---|---|
樹林型埋蔵施設 ※そのままのご遺骨 | 1体 | 134,000円 |
2体 | 268,000円 | |
樹林型埋蔵施設 ※粉骨 | 1体 | 44,000円 |
2体 | 88,000円 | |
樹木型合葬埋蔵施設 | 1体 | 194,000円 |
2体 | 388,000円 |
粉骨には別途費用がかかります。
粉骨の費用は依頼する業者によっても異なりますが、数万円程度でできることが多いです。
小平霊園は都営の霊園のため民営の霊園と比べて価格が安いことが分かります。
では、民営の樹木葬施設の場合はどれくらい費用が必要になるのでしょうか。
次に民営の樹木葬にかかる費用について解説します。
民営の樹木葬に必要な費用(都内周辺)
都内で樹木葬ができる施設には公営と民営があります。
一般的に公営よりも民営の方が費用は高い場合が多いです。
- 民営の樹木葬に必要な予算目安:60万円~150万円程度(1体)
費用だけを考えるともちろん公営の方が安い場合が多いですが、民営でも安く利用できる施設もあります。
また、値段だけでなくサービスなど魅力的な霊園も多いです。
どの霊園を選ぶかは値段だけでなくアクセスやサービスなども見てから選びましょう。
【小平霊園周辺】おすすめの霊園をご紹介!
都立小平霊園に入りたいと思っていても、抽選になかなか通らず入れないという方も多いです。
そこで、ここでは小平霊園近郊にある樹木葬・ガーデニング葬ができる霊園を紹介します。
小平ふれあいパーク
小平ふれあいパークは「小平駅」徒歩9分に位置するアクセスの良い霊園です。
駐車場も併設されているので、お車の方でも安心して利用できます。
入口の噴水やバラ、季節の花々が美しく、まるで公園のような雰囲気です。
礼拝堂や休憩所も完備されているため、ゆったりと落ち着いた時間が過ごせます。
おすすめポイント
- バラや緑に囲まれた美しいガーデニング霊園
- 霊園内はバリアフリーでお参りがしやすい
- 駅から近いアクセスの良い環境
基本情報
所在地 | 東京都小平市天神町2丁目23番1号 |
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アクセス | <電車> 西武新宿線「小平駅」より徒歩9分 |
費用 | 永代供養タイプ:50万円 樹木葬タイプ:50万円~ |
永代供養 | 永代供養プラン有 |
宗教 | 不問 |
生前申し込み | 可能 |
小平メモリアルガーデン
小平メモリアルガーデンは1年中季節の花々が美しいガーデニング型樹木葬(フラワージュ)ができます。
他の人のご遺骨と混ざらないように個室の納骨室があり、ご家族・友人・ペットと同室で納骨することも可能です。
また、琉球ガラス村製の美しい骨壺にご遺骨を入れて納骨することができます。
おすすめポイント
- 専属ガーデナーによって年中花壇が手入れされるので美しい
- 個別の納骨室に埋葬されるのでどこに埋葬されているかが分かる
- ペットと一緒に入れる樹木葬プランもある
基本情報
所在地 | 東京都東村山市恩多町2丁目29番50号 |
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アクセス | <電車> 西武新宿線「久米川駅」北口より徒歩10分 <車> 新青梅街道沿い(都立小平霊園前) |
費用 | <通常タイプ> 1名:38万円~ 個室(4名まで):142万円~ <ペット可能タイプ> 1名:48万円~ ペット1体:24万円~ <永代供養タイプ> 1名:48万円~ ペット個室・永代供養個室:142万円~ |
永代供養 | 永代供養プラン有 |
宗教 | 不問 |
メモリアルガーデン東久留米
メモリアルガーデン東久留米は都内近郊からのアクセスが良いにも関わらず静かな場所に位置しています。
また、永代供養できるガーデン葬が魅力的です。
さらに、永代供養できる、家族やペットと一緒に入れる、など故人やご遺族の思いを叶えてくれます。
おすすめポイント
- 道路から少し離れた位置にある静かで穏やかな環境
- 永代供養できる
- 家族やペットと一緒に入れる
基本情報
所在地 | 東京都東久留米市八幡町3丁目16番40号 |
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アクセス | <バス> 「前沢宿」バス停より徒歩3分 |
費用 | 合祀タイプ:1名20万円 3年後合祀プラン:1名25万円 ※3年間骨壺のまま安置→合祀埋葬 個別納骨13年後合祀プラン:100万円~ ※1区画最大8名 個別納骨永代使用プラン:150万円~ ※区画最大8名 |
永代供養 | 永代供養プラン有 |
宗教 | 不問 |
このように樹木葬ができる霊園は最近増えてきていますが、樹木葬にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
樹木葬のメリットとデメリット
樹木葬は最近注目されている供養方法です。
特に自然が好きな方、お墓の墓守問題でお悩みの方は選ばれることが多いです。
そこで、ここでは樹木葬のメリット・デメリットを紹介します。
樹木葬のメリット
費用が抑えられる
樹木葬は一般的なお墓よりも費用を抑えることができます。
墓石の購入や維持費が必要ないので、費用を抑えたいという方におすすめです。
永代供養できる場合が多い
樹木葬の多くは永代供養できることが多いです。
最近は墓守問題やお墓の後継者問題などから永代供養を選ばれる方も多く、生前申し込みをする方も増えています。
故人やご遺族の心を癒してくれる
花や緑が多い静かな環境での供養は、遺族の心も癒してくれます。
一般的なお墓の場合、暗くてじめじめした雰囲気であることも多いですが、樹木葬の場合は美しく明るい雰囲気が漂っています。
散歩気分でお参りができると喜ばれるご遺族も多いです。
樹木葬のデメリット
交通の便が悪いところが多い
樹木葬は自然豊かな環境で行われることが多いため、車がないといけない場所やアクセスが悪い場合も多いです。
足が悪い方や移動が難しいご遺族の方がいる場合は、事前に見学に行くなどして環境を確認しておきましょう。
墓石がないことが受け入れがたい
樹木葬には一般的なお墓のような墓石がありません。
お墓参りと言えば墓石に手を合わせるというイメージを持たれている方も多いため、墓標がないお墓というものに抵抗を持つ方もいらっしゃいます。
まだ数がそれほど多くない
樹木葬は人気が高まっている割にまだ数が多いとは言えません。
しかし少しずつですが増えてきていることも確かです。
最近は公営霊園でも樹木葬ができるところもあるので、お近くで一度探してみましょう。
このように樹木葬にはメリット・デメリットがあります。
供養方法を選ぶ際にはメリット・デメリットのどちらもしっかりと理解して、納得してから選ぶことが大切です。
まとめ
都立小平霊園はアクセスも良く費用も抑えられる魅力的な霊園です。
樹木葬ができるということもあり、大変人気があります。
そのため、毎年募集があるわけではなく、募集があったとしても抽選になることがほとんどです。
申し込み時期は毎年1度決まった季節のみなので、しっかりと確認しましょう。